「トップをねらえ2!」の終幕に登場する変動重力源は、ブラックホールを体内に呑み込んだ宇宙怪獣という、まさに「悪のブラックホール」とも言うべき存在でしたが、これまで人類が生みだした様々なフィクションの中にも、たびたび人類に襲いかかる「悪のブラックホール」的なものが登場してきました。

今回は、それらを紹介しつつ、変動重力源と比較して、どちらが「より凶悪か」検討していきます。


最近リメイクされた「ガイキング」(2005年)ではなく、オリジナルのほうの「大空魔竜ガイキング」(1976〜77年)には、「暗黒ホラー軍団」という敵が登場していました。

「暗黒」で「ホラー」というのだから、ものすごいネーミングセンスですが、実際には、彼らが真っ黒いもの、すなわちブラックホールを恐がって逃げようとしてたのです。

地球から6000光年離れたはくちょう座EH銀河星群系宇宙に位置する(「それはどこやねん?」という野暮なツッコミはこの際しないように)彼らの母星ゼーラ星(だから、正確にはゼーラ星人)は、ブラックホールに呑み込まれようとしていました。

そこで、ゼーラ星人たちは危機に対処するため、超高性能の人工知能ダリウス大帝を建造したが、いつのまにか全知全能の機械神を名乗るようになったダリウス大帝に支配されてしまい、その命令で地球に移住するための侵略を開始したのでした。

「なんで6000光年も離れた地球にわざわざ?」というツッコミもここではしないように。だが、絶滅を避けるための民族大移動を計画していたにしては、1年もかけてチョロチョロチョロチョロ兵力を小出しにして、大空魔竜一隻(一機?)とその艦載機である数体のメカ(といっても、実際に戦力として有効だったのはガイキングだけ)に負け続けていたのは、どこからどうツッコんだものかわからないくらいです。まあ、それだけ、ダリウス大帝がバグだらけの狂った人工知能だったということなのでしょうか?

恐らく、兵の数こそ多いものの、そのマヌケっぷりからして、変動重力源には及ぶべくもないでしょう。

ちなみに、どうでもいいことですが、もしかしたら「暗黒ホラー」というのは、black(黒くて)horror(怖ろしい)じゃなくて、blackholer(ブラックホール人)の誤訳なのかも。


これまた、その後の平成ゴジラ映画「ゴジラvsメカゴジラ」(1993年)、「ゴジラ×メカゴジラ」(2002年)、「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」(2003年)の3本ではなくて、一番最初の「ゴジラ対メカゴジラ」(1974年)と「メカゴジラの逆襲」(1975年)の話。この2作には、メカゴジラを操って地球を侵略しようとする凶悪な宇宙人、「ブラックホール第3惑星人」が登場していました。

ブラックホール第3惑星人というからには、どこかにブラックホールの周囲を複数の惑星が回っているという特異な太陽系が存在していて、そこの第3惑星に住んでいるということなのでしょう。いや、それ自体は完全にあり得ない話だと言い切ることはできないのですが、それよりも「どこの」ブラックホールなのでしょう…?

前述の暗黒ホラー軍団は、まがりなりにも組織力がありましたが、このブラックホール第3惑星人ときたら、兵器はメカゴジラ1体のみ。しかも、「ゴジラ対メカゴジラ」でゴジラに倒されたあと、「メカゴジラの逆襲」では地球人のマッド・サイエンティストに修理を手伝わせているというふがいなさ。しかも助っ人は地球の怪獣(チタノザウルス)という、なんでもかんでも現地調達という姿勢は、近代軍隊とはほど遠い準備のなさっぷりでした。

これまた、変動重力源と比べると、あまりにも戦力不足と言っていいでしょう。