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GNN 2006年5月号掲載分
空を自由に飛びたいな!そんな無邪気な子供の夢を、人間……いや人類は、努力と根性、もしくは智恵と勇気で次々と叶えてきた。
空が飛びたければ気球や飛行機を飛ばし、遠くの人と話したければ電話を作る……でも、猿が人間に進化して、優れた知能と便利な手、そして豊富なコミュニケーション能力を手に入れたように、そんな人間が、さらに進化するとしたら?その姿は、どうなるのだろうか。
遥か未来世界を描く『トップ2』では、子供たちだけが無限の可能性を羽ばたかせるような力を手に入れていた。その力の名前こそ、トップレス……。
復習:トップレス

人類の獲得したあらたなる力?

『トップ2』世界のキーワードとなっている、トップレスとはなんだったのか?
忘れている人もいるかと思うので、5巻が発売され、最終話となる6巻へのカウントダウンも始まった今、軽くおさらいしてみよう。

まず、『トップ2』世界において、トップレスという言葉は2つの事柄を指し示している。1つ目は子供のみに発現する前頭葉の異常活動が引き起こす超・能力(トップレス能力)、2つ目はそして強大なトップレス能力を持ち、宇宙怪獣と戦う子供たちの総称(トップレス能力者・部隊)の略称である。

では、まずトップレス能力から見ていこう。トップレス能力の概要は、次の3点となる。

1 トップレス能力は、物理現象を超えた超常現象を起こす力である。
2 トップレスは幼年期から思春期の子供にのみ発現する。
3 人類のほぼ全ての子供がトップレス能力を持っている。




ヘッドギアを装着させられ
能力を封じられたラルク
空を飛んでみたいとか、遠くの人と話が出来たら楽しいだろうな??あどけない子供が夢想しちゃう&ちょっと欲しいと思っちゃうのが超能力というもの。現代ならば、子供は夢見がちだねぇ……とで一笑に付されてしまうが、『トップ2』の世界だと、子供はみんな普通じゃない能力、つまり超・能力を持っているという。どんな能力を持っているかは、人によって様々。というより、キチンと決まってはいなし、「そうしたい」と思えばいろんなことができちゃうのがトップレス能力のスゴイところ。ただ、その能力者によって得意とする分野があったりする。例えば、ラルクは物質を量子化し空間移動を行うのが得意だし、チコは誰よりも強力なテレパシー能力を持っている。だからといって、ラルクがテレパシーを使えない訳ではない。到達距離や精度に難は出るものの、使おうと思えば、ラルクだってテレパシーや読心ができるのだ。ここで例え話をしてみよう。

トップレス能力は、よく「走る」ことに例えられる。子供はよく走り回る。身体・精神的に問題が無い場合、大概の子供は走り回れる。フラタニティに入れるトップレス能力者は、その「走る」という速度が、オリンピックに出場して表彰台に上がれるぐらいにスゴイのだ。しかし、「走る」といってもいろいろある。100メートル走から中距離、マラソン、もしくはハードルとか走り幅跳びなどなど。だいたい判って頂けるだろうか?ラルクが100メートル走に特化した選手とすれば、チコは走り幅跳びの選手、という感じ。得意分野は違えども、能力が秀でているのは変わりない……というところだろうか。

子供にトップレス能力が発生するようになってから、物語の時点で数百年、いやそれ以上が過ぎ去っており、いまや子供がすごい力を持っているというのは当たり前となっている。突然変異や、薬品や放射線、遺伝子改造など外力の影響ならば、ここまで全人類が変化することはなかっただろう。一部のトップレス研究学者は、トップレス能力を得たということは、人類の「あるべき姿」への進化なのかもしれないという説を唱えている。猿が道具や火を使うために直立歩行に移行したように、人類が次のステップに移行するための新たな手こそがトップレス能力なのだと。しかし、人類はコミュニケーションをし、知識を共有・継承していくことで、原始生活を脱し、社会基盤を作り上げてきたはず。トップレス能力の獲得が人類の進化だとするならば、社会へと入る前段階にある10代中盤から20歳に能力を消失してしまうのでは意味がないという疑問が出てくる。逆に、現在の風潮では、トップレス能力を失い、現実を直視出来るようになれば「大人の仲間入り」だとされている。トップレス能力の喪失は、社会的には歓迎されている状況にあるといえるだろう。

チコの得意とするトップレス能力は、遠隔通信(テレパシー)。テレパシーというだけなら他のトップレスも可能だ。しかし、時を超え、遥か過去の人物と交信するとなると……! ラルクの得意とするトップレスは、転送能力。バスターマシンの戦闘力を掛け合わせることで、様々な戦法を可能とする。
トップレスとBM

怪獣退治の動力源


トップレス能力発動させたときに現れるクレンシフ発光現象。バスターマシンはフィジカルキャンセラーを通して、トップレスの力を自分のエネルギーへと変換する。

凄い力なのに、人間としての未成熟さ、もしくは取るに足りないモノと見られているトップレス能力。しかし、そのトップレス能力が必要とされている所もある。それが、人類の天敵・宇宙怪獣と戦う、トップレスの集まり・フラタニティだ。ここでは、世界でもトップクラスのトップレス能力者が集められ、太陽系に侵入してくる宇宙怪獣を排除するべく、活動しているのだ。

ここでポイントとなるのが、『トップをねらえ!』のガンバスターと『トップ2』のバスターマシンたちにおける、システムや搭乗員などの違い。ガンバスター(バスターマシン1号・2号)を動 かしているのは、科学技術の生み出した「大型縮体炉」。搭乗者は当然、バスターマシンを操縦するために乗っているのだ。一方、ディスヌフを初めとした今のバスターマシンには、バッテリーといった補助動力はあれど、宇宙怪獣と本格的に渡り合うために必要となる高エネルギー発生炉は付いていない。縮体炉は宇宙怪獣を引きつける元になる可能性があったために、遙か昔に封印され、作り出す技術が失われてしまったからだ。

どんな優れた機械も動力が無ければ、ただのガラクタ……じゃあ、縮体炉の替わりに、凄いエネルギー源となるジェネレーターを積めばいい。そこで、白羽の矢が立ったのが、トップレス能力者だったといわれている。もちろんただトップレス能力者が乗っても、バスターマシンが勝手に動くようになるわけではない。念動力系のトップレスが動かせば、話は別だが……それでは、乗れる能力者が限られてしまう。ここで登場するのが、作品内でラルクが叫ぶ「フィジカルキャンセラー」である。これはバスターマシンに搭載された、トップレス能力によって作動する一種の思考機械だ。といっても、本当にフィジカル(物理法則)をキャンセル(無効化)できるわけではない。あくまでも、トップレスの現実改変能力で変換&数学的な量子の振る舞いを制御することができるというもの。ぶっちゃけていえば、動かないはずのものを動かし、無いはずのエネルギーを生み出すということだ。燃料が空で動きようもないパワージェネレーター……そこにトップレス能力者が搭乗し、能力を発揮すれば……いつの間にやら、パワージェネレーターはうなりを上げて、各部位にエネルギーを送り始める!この際にトップレスの得意分野は関係がない。大きなトップレス能力を持っていれば、誰でもいいのだ。

トップレス能力者自身が発電機を回している訳でもなく、トップレス能力を燃焼させている訳でもないが、結果的に見ればトップレスが動力になっているのだ。こうして見ると、トップレス能力者がバスターマシンの心臓部……ガンバスターの縮体炉があった場所に乗っているのも、まさに彼らが「動力源」という象徴だと言えるだろう。

勘違いされると困るわけだが、もちろんトップレス能力者も、バスターマシンの操縦はしている。ラルクだってディスヌフに命令して、宇宙怪獣に吶喊させたり、2話のようにララァシャンの救助を行ったりしている。しかし、突き詰めていくと、大まかな命令を出しているのであって、いわば司令官的な立場にあると言っていいだろう。細かな軌道制御や武器の照準作業、計算などは、バスターマシンに搭載されている人工知能が行っているのだ。搭乗者を守りつつ、宇宙怪獣を葬るために、細かな動きを行う――そのあたりの作業こそ、バスターマシンの人工頭脳の仕事であり、その中に蓄えられた戦闘データが生かされる場面なのである。ただし、ディスヌフはあくまでも人間をサポートするためのバスターマシン。操縦者の命令なしでは勝手な行動はとれないようになっている。逆に、命じられればどんなに理不尽な命令だって、聞かなくてはならないのだ。例えば、火星に落ちていく戦艦を見殺しにするとか、変動重力源こと真・宇宙怪獣ではないバスター軍団を撃破することとか……
英雄か?邪魔者か?

苦境に立たされるトップレスたち



頭の周囲をガッチリと囲む拘束具。額部分はピースをキッチリ押さえるようになっており、頭が潰れでもしないかぎり、鍵を使わずに外すことはできない。
さて、そんなあたり前にあるトップレス能力、みんなの憧れでもあるトップレス能力者たち。しかし、この5巻でその運命が大きく覆されることになった。それが、4巻・タイタンで起きた変動重力源にまつわる事件である!事件の最中に復活した変動重力源とは、かつて人類を滅ぼそうとした真・宇宙怪獣だった。そして、いままで人類が宇宙怪獣だと思いこみ、排除しようとしていた存在こそ、最強の防衛兵器・バスターマシン7号に率いられ地球を守っていたバスター軍団だったのだ。変動重力源は復活したバスターマシン7号とバスター軍団によって殲滅させられたが、新たな真実が明らかになった。それは、変動重力源の力の源はトップレス能力と類似しており、宇宙怪獣(バスター軍団)は、トップレスを変動重力源ではないかと疑っていた。真実を知って慌てた地球政府は、ここで2つの方針を採る。一つは、復帰したバスターマシン7号にお願いし、宇宙怪獣との外交折衝を行う。そしてもう一つは、人類からトップレス能力を消し去ることだった……。

トップレス能力の発生から延々と続けられ、いまだにその全貌を解明できてはいないものの、能力の研究自体はかなり進められてはいる。トップレス能力者の能力を封じるピースもその成果物の一つである。変動重力源のような大きなトップレス能力の反応を見せなければ、宇宙怪獣は本来の任務である太陽系外の監視任務に戻るはず……そんな推測の元に、政府はフラタニティの解体と、トップレス能力を使用するバスターマシンの凍結を命じた!ラルクたち、トップクラスの能力者はピースをはがせないように頭部拘束具・矯正ギアの着用を強制され、軍の管理する病院に軟禁状態になってしまった。彼等は能力を喪失するまで、もしくは本人の同意がとれればトップレス能力を薬物&手術によって消滅させるまで、この軟禁状態が続くだろう。いや、フラタニティの特権条約が破棄されるように動いている以上、それは同意を必要としない強制手術となるだろう。このあたりの医療技術に関しては、フラタニティが成立する前……つまりまだトップレス能力者の人権が確固として確立する前に、多くの子供たちを人体実験して作り上げられたものである。その投薬・手術がどういう結果をもたらすのか、トップレスを人工的に奪いさることがどういう結果になるかは、この医療が広く一般で行われていないということを考えれば、自ずと判るだろう。しかし、宇宙怪獣の驚異に比べれば……と考える大人は、平然とその行為を強行してしまうだろう。それはいずれ、トップレス能力が高い子供だけでなく、全世界の子供に無理矢理行われるのかもしれない。とはいえ、現状では宇宙怪獣=バスター軍団ということも、バスターマシン7号の存在も秘匿されているので、いますぐに一般市民の子供がそんな運命に会うわけではない。しかしいずれは…… !?

人間に生まれたトップレス能力と、変動重力源が遙か昔から持っていたトップレス能力に似た力。これはイコール記号で結ばれるものなのか?バスター軍団ですら判らなかったことが、すぐに答えが出るとは思えない。人類がこのまま永遠のトップレス能力を得たならば、その姿は変動重力源と同じになってしまうのだろうか。たしかに生物のままで宇宙空間に耐え、ワープで移動できれば、人類の版図は一気に広がることだろう。その果てに行うことは、同じ可能性を持った生物を殺してまわり、恒星を喰って仲間を増やすことなのだろうか?人類が変動重力源とならずに、人としての姿のままで、トップレス能力を使うことが出来たら……それが本当の人類の進化した姿と言えるのかもしれない。

トップレス能力の高い子供の額に付けられるピース。着用は義務づけられているが……逆にこれを付けた子供が近づいてくると、ギョっとしてしまいそう!? 2話に登場した手錠。ピースを手ではがせなくなるが、無理矢理額を擦ってはがすことも出来るため拘束レベルは高くない。
ロートル戦士の謎

振り向くとそこにカシオがいる!?

カシオ・タカシロウという人物がいる。一度、この大百科でもとりあげているが、元・トップレス部隊の凄腕パイロットだった人物である。13才でフラタニティに入ると同時に、その才能を開花させ、宇宙怪獣の撃墜スコア・年間最高値をたたき出す。搭乗したのはバスターマシン、ディスヌフ。自信過剰な性格で、パートナー機をほったらかしにして宇宙怪獣に近接攻撃を仕掛ける戦法を好んだという。第二次カイパーベルト会戦に参戦した時に、トップレス能力を消失したと自己申告。その後、一般人に戻った。その後は、フラタニティに声を掛けられ、後進トップレス能力者の育成と精神ケアをするコーチとなる。だが、フラタニティの闇に潜む秘密サークルの謎を暴こうとした彼は、辺境の閑職へ飛ばされてしまった。

ここまでは4巻のお話。それから数ヶ月――なんとカシオはバスターマシン公社の下請け整備士となって再び現れた!?傾きかけたフラタニティをあっさり見捨てる、機を見るに敏 な人物といえばその通りだが、逆に怪しさ爆発な行動力! 実際思い返せば、カシオは怪しい行動ばかりしている。フラタニティにノノを入れるのは、秘密サークル側の要望もあったにしろ実際に接見したカシオの意見が大きかっただろう(ノノを入れることで、他のトップレス能力者の生活に支障が出たらカシオの責任になる訳だし)。バスターマシンを探しに冥王星へとやって来たノノが空港が閉鎖され立ち往生したときに、たまたまカシオが赴任している。そして5巻では、バスターマシン公社の下請けとなり軍の監視下にあるラルクと触を果たしている。この間の良さ、運の良さ、そして行動力!

コーチ・カシオとはいったい何者なのか?

すこし考えただけでも、もっている技能の数がハンパじゃない。宇宙船の操縦ができるのはトップレスだったから当然として、コーチに就任するにあたっての教育学や心理学、軍以上の機密兵器を取り扱う会社へ潜入するための機械工学や物理学。そして様々な部署に、素早く異動する根回しや人脈の数々!ここまで考えると……カシオこそ、宇宙軍が派遣したフラタニティの監視役ではないかという疑惑がわいて出る(笑)。16歳でトップレスを辞めたカシオが、その後どういう経路を辿り、コーチになったかは明らかにされてはいない。オフィシャルサイトに掲載されているWeb小説『スターダスト・ココア』に登場する熱血少年が、どうしてロボ娘の風呂場を覗き、プラモ作りに興じるオヤジに変貌したのか……。すべては周囲を欺く仮面で、本当の彼はトップレスの動向を探り、失われたバスターマシン7号を探求するスパイだったのかも!?

だがここでもう一つ別の考え方をしてみよう。カシオは現役当時のパートナー・シャンから言われた言葉「トップレスは正義の味方(みらら)じゃないといけない」という言葉を胸に秘め、中年太りでヒーロー体型じゃなくなっても、いまの自分に出来ること、現役トップレスたちの支えとなることを選んだのだ。格好悪い、キモイと言われつつ、トップレスの機嫌をもり立て、関係各省を廻って陳情、フラタニティが瓦解するとなったら、次にトップレスをサポートできそうな部門に素早く移籍する……カシオこそが人類のために無茶無理無謀を行う、熱い少年の心、心にバスターマシンを持っている男なのだ!!

そんなオヤジ・カシオが最終回に向けてのキーパーソンになるかもしれないぞ?(たぶん違う)

生意気盛りの子供たちにタメ口をきかれつつも、淡々とコーチとしてのサポートを続けてきたカシオ。 着ている制服は、いつの間にかバスターマシン公社の服にチェンジ!意外に世渡り上手なのか?

若き日のカシオの物語を描いた
オリジナルWeb小説
「チョコレートスター」が
こちらのオリジナルコンテンツ内
好評連載中!

作はfoca氏と連悠太氏、イラストはokama 氏が担当しています。
左は設定に描かれた、カシオの若き日の姿。右はWeb小説の挿絵として描かれたもの。この少年が今のような姿になるなんて……。
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